読書は、毒抜き。
ということで、
水谷緑 著
『私だけ年をとっているみたいだ。』
という本について紹介したいです。
毒親のことで悩み、生きづらさを抱える人にお勧め。
これは、ヤングケアラーについて書かれた本です。
子供の頃から、母親の代わりに家事や、メンタル面での母親の世話をしている女の子が成長していく様を漫画で書いています。
8歳から、結婚して子育てをするところまでが描かれていて、漫画ということもあり、あっという間に読めてしまいます。
とても深刻な状態が書かれているのに、さらっと読めるのがとても不思議。これは水谷緑さんの手腕によるところが大きいのでしょう。
毒親のことで悩み、生きづらさを抱える人たちにとっては、子供の頃、何かしらの部分において、親子が逆転していたというのが、アダルトチルドレンや毒親育ちにはあるわけなので、共感する部分がかなり多いです。
自分の中にある説明のつかない悲しい気持ちが刺激されました。今までも、自分と向き合うために、毒親関係の本はいくつも読んできていますが、またいい刺激をもらいました。
機能不全家族で育つということは、親が親として機能しないということですので、ということは、子供は子供らしくはいられないということを意味します。
この本の主人公は、お母さんが病気で、小さい時からお母さんの代わりに家族のために家事をずっとやっている。物理的に親子逆転。それ以外にも、あらゆる面でできる限りのことをしようとしています。
ヤングケアラーではなかったと思っている毒親育ちさんの場合でも、説明しにくい親の幼稚さに付き合わされていることが多いはずで、つながりを感じました。
根底にあるのは、親がこちらのことをわかってくれないという怒り。
自分は甘えさせてもらえなかったという怒り。
親の方は自分の方のことを理解しろと言うくせに、
自分の気持ちだけ見て、子どもの気持ちを見ない。
親と暮らす中で、その怒りをずっと感じないように生きてきていると、自分の気持ちとして感じることもできなくなります。そのうち、感じてないということさえも自覚がなくなります。多分、私は、今も、感じられないままの置き去りのことはたくさんある。もう癒されていいんだ。
子育てが始まってからのフラッシュバックについて書かれている部分も、生きづらさを抱えるアダルトチルドレンママさんには共感できる部分だと思います。私は大いに共感しました。
なかなか単純にシンプルにはいかないことばかりだけど、焦らず、ひとつひとつやっていこうと思わせてもらえる本でした。これからも、自分の中の毒抜きをして、少しでも健全に幸せになっていきたいと思います。
心の毒を出し、心が楽になれるきっかけとなる気づきを与えてくれる本『私だけ年を取っているみたいだ。』おすすめです。
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